小規模太陽光の現地出動を削減|カメラを活用した遠隔管理とは

太陽光発電所の運用保守では、発電量の低下や設備の異常が発生した際、現地の状況を確認しなければ原因を特定できないことがあります。
特に、複数の小規模太陽光発電所を遠隔地に保有している場合、現地確認のたびに人員を派遣したり、外部業者へ点検を依頼したりすることで、運用保守コストが増加することがあります。
そこで活用したいのが、遠隔監視カメラによる現地状況の確認です。
本記事では、小規模太陽光発電所に遠隔監視カメラを導入するメリットや運用保守コストの削減につなげるためのカメラ選びのポイントについて解説します。
小規模太陽光では「現地確認」が管理負担になりやすい
太陽光発電設備は全国各地に設置されており、1事業者が複数の発電所を管理しているケースもあります。
なかでも小規模な太陽光発電所では、1拠点あたりの収益を考えると設備の運用保守にかけられるコストにも限りがあります。
一方で、太陽光発電設備は屋外に設置されるため、雑草や落ち葉、積雪、大雨、台風など、さまざまな外的要因の影響を受けます。発電量の低下や設備の異常を検知しても、取得できるデータだけでは現地で何が起きているのか把握できず、状況を確認するためだけに現地へ向かわなければならないこともあります。
特に複数の発電所が遠隔地に点在している場合、以下のような課題が生じます。
- ⚫︎ 異常が発生するたびに現地へ向かう必要がある
- ⚫︎ 遠方のため現地確認を外部業者へ依頼する必要がある
- ⚫︎ 確認した結果、すぐに対応する必要のないケースもある
- ⚫︎ 移動時間や出動費が積み重なり、運用保守コストが増加する
そこで、発電データなどによる設備監視とあわせて活用したいのが、カメラによる現地状況の遠隔確認です。
カメラで確認できれば「現地へ行くべきか」を判断できる
太陽光発電所で発電量の低下や異常を検知したからといって、必ずしもすぐに現地での作業が必要とは限りません。
例えば、以下のような状況はカメラ映像から確認できる可能性があります。
- ⚫︎ パネル周辺への落ち葉や汚れの堆積
- ⚫︎ 降雪によるパネルの被覆
- ⚫︎ 雑草の繁茂による影
- ⚫︎ 飛来物などによる設備への影響
- ⚫︎ 台風や大雨など災害発生後の周辺状況
現地の映像を確認できれば、発電量の低下や異常が発生した際に現地へ出動する必要性を事前に判断しやすくなります。
特に現地確認を外部業者へ依頼している場合、不要な出動を減らすことができれば運用保守コストの削減にもつながります。
遠隔監視カメラで現地出動を効率化した事例
実際にソリッドカメラでは、太陽光発電設備の遠隔管理にカメラをご活用いただいている事例があります。
株式会社ハイコム様では、大阪から離れた岡山県の太陽光発電所にカメラを設置。発電に不具合が発生した際に現地映像を確認することで、現地出動が必要かどうかを判断できるようになりました。
さらに、雑草の生育状況をカメラで確認し、適切なメンテナンス時期を決定するなど、日常的な設備管理にも活用されています。
小規模太陽光に設置する遠隔監視カメラの選び方
太陽光発電所へ設置するカメラは、店舗やオフィスなどで防犯を目的として設置する場合とは、重視すべきポイントが異なります。
特に小規模・遠隔地の太陽光発電所では、導入コストやランニングコストを抑えながら、必要なときに現地の状況を確認できる環境を整えることが重要です。
ここからは、小規模太陽光発電所に遠隔監視カメラを導入する際に確認したい5つのポイントを紹介します。
1.目的に応じて必要な録画機能を考える
防犯を目的とする場合は、不審者の侵入や盗難発生時の状況を確認するため、一定期間映像を録画しておくことが重要です。
一方、運用保守を目的として「現在の現地状況を確認したい」という場合は、必ずしも24時間の常時録画が必要とは限りません。
例えば、以下のような用途であれば、必要なときにライブ映像を確認できるだけでも現地確認の負担軽減につながります。
- ⚫︎ 雑草がどの程度伸びているか確認する
- ⚫︎ パネル周辺の積雪状況を確認する
- ⚫︎ 台風や大雨の後に周辺の状況を確認する
- ⚫︎ 発電量低下時に現地の様子を確認する
防犯を目的とするのか、運用保守を目的とするのか、あるいは両方なのかによって、必要な機能は変わります。
まずはカメラを設置する目的を明確にしたうえで、録画方法や保存期間などを検討しましょう。
2.電源・インターネット環境を確認する
太陽光発電所は、山間部や郊外など、光回線をはじめとした固定回線を用意しにくい場所にも多く設置されています。
そのような環境で遠隔監視を行う場合は、SIMカードを利用してモバイル通信を行うSIMカメラが選択肢になります。LTE通信の対応エリア内であれば、固定回線を新たに敷設することなく遠隔から映像を確認できます。
さらに、カメラ用の電源を確保することが難しい場所では、ソーラーパネルとバッテリーを組み合わせたカメラも選択肢の一つです。
電源や固定回線を用意するために大がかりな工事が必要になると、カメラ本体以外の導入費用も膨らみます。
既存の太陽光発電所へ後付けでカメラを導入する場合は、現在の電源・通信環境を確認し、できるだけ追加工事をできるだけ抑えられる構成を検討することがポイントです。
3.日照が少ない環境でも運用できるか確認する
ソーラーパネルで給電するカメラを選ぶ場合は、晴天時だけでなく、日照時間が短い時期や悪天候が続いた場合の運用も考えておく必要があります。
特に積雪量が多い地域では、カメラ用のソーラーパネルが雪に覆われることで、十分に充電できなくなる可能性があります。
ソーラー給電型のカメラを選ぶ際は、以下のポイントを事前に確認しましょう。
- ⚫︎ バッテリー容量
- ⚫︎ 待機時の消費電力
- ⚫︎ 悪天候が続いた場合の稼働目安
- ⚫︎ 設置予定地域の気温などの環境条件
- ⚫︎ 積雪や塩害などの設置環境に対応できるか
短期間のテストでは問題なく稼働していても、冬季や梅雨など季節によって日照条件は変化します。
年間を通じた利用を想定し、設置する地域の環境に適した機種を選ぶことが重要です。
4.必要な画角から設置台数を決める
太陽光発電所にカメラを設置する場合、必ずしも「1サイトにつき1台」と考える必要はありません。
小規模な発電所が隣接しており、1台のカメラで複数の発電所を俯瞰できる場合には、1台で複数の発電所の状況を確認できる可能性があります。
一方、以下のように複数の場所や設備を詳しく確認したい場合は、複数台のカメラが必要になることもあります。
- ⚫︎ パネル表面の状態まで確認したい
- ⚫︎ 発電所の出入口も監視したい
- ⚫︎ ケーブルやパワーコンディショナ周辺も確認したい
カメラの台数を決める際は、サイト数だけで判断するのではなく、何を・どの程度まで確認したいのかを整理することが大切です。
実際の配置図や設置場所をもとに必要な画角を確認することで、過剰な台数の導入を防ぎ、初期費用を抑えやすくなります。
5.複数拠点を管理しやすいか確認する
数十〜数百カ所の太陽光発電所へカメラを導入する場合は、カメラそのものの性能だけでなく、アプリや管理画面の使いやすさも重要です。
複数拠点への導入を検討する場合は、以下のような管理機能を確認しておきましょう。
- ⚫︎ 1つのアカウントに登録できるカメラ台数
- ⚫︎ 複数の担当者で同じカメラを共有できるか
- ⚫︎ 発電所や地域ごとにカメラを整理できるか
- ⚫︎ スマートフォンから映像を確認できるか
例えば、設備の異常を検知した際に、担当者が外出先からスマートフォンで現地映像を確認できれば、その場で現地の状況を確認できます。
特に100台規模での導入を検討している場合は、台数が増えても目的のカメラをすぐに見つけられるかなど、実際の業務を想定して操作性を確認しておきましょう。
遠隔監視カメラは「導入費」だけでなく「総コスト」で比較する
小規模太陽光発電所へカメラを導入する際、特に確認しておきたいのがランニングコストです。
1台だけであれば月額料金の差は小さくても、数十〜数百台へ展開すると、その差が年間の運用保守コストに大きく影響します。
遠隔監視カメラにはさまざまなサービス形態があり、代表的なものとして以下が挙げられます。
| サービス形態 | 特徴 | 確認したいポイント |
| クラウド録画型 | 映像をクラウドへ保存し、遠隔から確認できる | 台数に応じて月額料金が増える場合がある |
| レンタル・リース型 | 初期費用を抑えて導入しやすい | 契約期間や長期利用時の総額を確認する |
| 機器購入+通信サービス型 | カメラを購入し、必要な通信サービスを契約する | 初期費用と月額通信費のバランスを確認する |
小規模太陽光発電所のように多拠点へ展開する場合は、カメラ本体の価格だけではなく、導入から運用までにかかる総コストで比較することが重要です。
総コストを比較する際は、以下の費用を整理してみましょう。
- ⚫︎ カメラ本体の購入費用
- ⚫︎ 設置工事費
- ⚫︎ 電源・通信回線の工事費
- ⚫︎ SIMなどの通信費
- ⚫︎ クラウドサービスなどの月額利用料
- ⚫︎ 保守・メンテナンス費用
例えば月額費用の差が1台あたり1,000円でも、100台を導入すれば年間120万円の差になります。
さらに、カメラ導入によって削減できる現地への出動費や移動時間まで含めて考えることで、より実態に即した費用対効果を検討できます。
まずは少数のカメラで運用を検証する
数十〜数百拠点への導入を検討している場合でも、最初からすべての発電所へカメラを設置する必要はありません。
まずは代表的な発電所へまずは少数のカメラを設置し、以下のポイントを検証するとよいでしょう。
- ⚫︎ 映像から必要な情報を確認できるか
- ⚫︎ 通信が安定しているか
- ⚫︎ スマートフォンなどからスムーズに確認できるか
- ⚫︎ 実際に現地出動の削減につながるか
最初の検証で問題がなければ、次に日照条件や通信環境などが異なる複数の発電所へ設置し、設置環境による稼働状況の違いを確認します。
特にソーラー給電型のカメラを利用する場合は、可能であれば日照条件が厳しい時期の稼働状況まで確認しておくことをおすすめします。
実際の運用環境で検証したうえで、必要な台数や設置場所を決めることで、本格導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
小規模太陽光発電所の遠隔監視におすすめのカメラ
ソリッドカメラでは、固定回線や電源を用意しにくい太陽光発電所にも導入しやすいカメラを取り扱っています。
設置場所の電源環境や、録画の必要性などに応じて適した機種を選びましょう。
電源・回線工事が難しい場所には「SolLa SLL-01LTE」
「SolLa SLL-01LTE」は、ソーラーパネルと10,000mAhの大容量バッテリーを搭載したSIMカメラです。
SIMによるモバイル通信を利用するため固定回線の敷設が不要で、ソーラーパネルから給電するため、カメラ用の電源を確保しにくい場所にも設置できます。
視聴や検知録画を行っていないときはスリープ状態になる省電力設計で、雨天が続いた場合でも最大約60日間の待機動作が可能です。
「必要なときに現地の状況を確認したい」「電源・固定回線の工事をできるだけ避けたい」といった太陽光発電所の遠隔管理に適しています。

電源を確保できる場所には「Viewla IPC-16LTEⅡ」
カメラ用の電源を確保できる一方、光回線などの固定回線を引くことが難しい場所では、「Viewla IPC-16LTEⅡ」が選択肢になります。
SIMによるモバイル通信に対応しているため、固定回線がない太陽光発電所でも遠隔監視環境を構築できます。
また、microSDカードへの録画にも対応しているため、現地の状況確認だけでなく、録画映像を保存しておきたい場合にも活用できます。

まとめ|遠隔監視カメラで「確認のための現地出動」を減らす
小規模太陽光発電所におけるカメラ活用は、盗難対策だけではありません。
遠隔から現地の状況を確認できるようにすることで、以下のような活用が可能になります。
- ⚫︎ 発電量低下時の現地状況を遠隔から確認する
- ⚫︎ 現地出動が必要かどうかを事前に判断する
- ⚫︎ 雑草などの状況を確認してメンテナンス時期を決める
- ⚫︎ 台風や大雨などの災害発生後に現地状況を確認する
特に複数の小規模太陽光発電所を管理している場合は、1回あたりの現地出動費だけではなく、年間でどれだけの現地確認が発生し、どの程度の費用や時間がかかっているのかを整理してみましょう。
その一部を遠隔監視へ置き換えることができれば、運用保守コストの削減だけでなく、管理担当者の業務負担軽減や、異常発生時の迅速な状況把握にもつながります。
なお、太陽光発電所では銅線ケーブルの盗難対策も重要です。防犯を目的としたカメラの活用については、以下の記事で詳しく解説しています。
ソリッドカメラでは、設置環境や管理拠点数、確認したい範囲などに応じたカメラ構成をご提案しています。デモ機の貸し出しも行っていますので、太陽光発電所の遠隔監視をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。




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