防犯カメラの犯罪抑止効果は?データで見る犯罪発生率の変化
防犯カメラの設置は、犯罪抑止において効果的な手段とされています。多くの場所でカメラの設置が増加しており、家庭や企業、公共の場でも防犯カメラを目にすることが当たり前になっています。統計データをもとに防犯カメラの犯罪抑止効果について詳しく見ていきましょう。
データで検証!防犯カメラの設置台数と犯罪率の関係
日経ビジネスによると、国内の防犯カメラ設置台数は2018年時点ですでに500万台に迫ると推計されていました。さらに、ALSOKが2025年に実施した調査では、日常生活の中で防犯カメラを見かけると回答した人は78.0%にのぼっています。
こうしたデータからも、防犯カメラが私たちの生活の中で身近な存在になっていることが分かります。
出典:日経ビジネス「日本の防犯カメラ、500万台に迫る」 / ALSOK「第3回 防犯カメラに関する意識調査」
刑法犯認知件数は4年連続で増加
一方で、防犯カメラが普及するなかでも、犯罪への警戒が引き続き必要な状況にあります。
警察庁によると、2025年の刑法犯認知件数は77万4,142件で、前年比4.9%増加しました。2021年に戦後最少となって以降、4年連続で増加しています。
また、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数も1万7,152件と、前年比7.2%増加しています。近年では、在宅の有無にかかわらず窓ガラスを破壊して住宅へ侵入するなど、悪質な手口による事件も発生しており、日頃から防犯対策を講じることが重要です。
防犯カメラの設置が進んだ地域で犯罪件数が減少した事例も
防犯カメラの抑止効果は、設置場所や罪種によって差があります。
筑波大学・雨宮護教授(研究当時は准教授)らが福岡県内の繁華街を対象に行った実証研究(2017年発表)では、過去の犯罪発生状況を踏まえて的確に配置した地区で、自転車盗などの窃盗系犯罪に統計的な抑止効果が確認された一方、暴行などの粗暴犯には目立った効果が見られませんでした。
国際的なメタ分析でも、防犯カメラの抑止効果は公共空間全般では限定的である一方、駐車場では顕著な効果が確認されているとされています。
出典:雨宮護「繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証」(福岡県警察)
さらに愛知県刈谷市では、街頭犯罪を防ぐための防犯カメラを設置した結果、設置後の5年間で刑法犯認知件数が46.4%減少したというデータがあります。

こうした事例や統計は、防犯カメラの設置と地域の犯罪件数の変化を考えるうえで参考になります。
人は「誰も見ていないから少しくらい良いだろう」といった心理で犯罪を行うことがありますが、防犯カメラという「見られている目」がその心理を抑制する効果があります。
さらに、本格的な強盗や空き巣などの場合でも、「防犯カメラに犯行の瞬間が記録されるかもしれない」という恐れから、犯行を諦めさせる可能性が高いとされています。
ただし、防犯カメラの抑止効果を統計から読み取る際は、カメラ以外の防犯活動や地域環境の変化も考慮する必要があります。件数の減少を、カメラの設置だけによる成果と断定することはできないので注意しましょう。
防犯カメラが犯罪抑止に効果的な理由
犯罪者の心理的抑制
防犯カメラがあると犯行予定者に「映像に残される」という意識が働き、犯行をためらうケースが多いです。これは犯罪者が逮捕や罰則を恐れるためです。特に顔や服装が映ると特定が容易になるため、カメラの存在そのものが犯罪の抑制力を持つと考えられています。
証拠としての役割
防犯カメラの映像は、犯罪発生後に重要な証拠として役立ちます。警察が犯人を特定するための手がかりとなり、逮捕の迅速化にもつながります。このような事例が増えることで、「捕まる可能性が高い」というメッセージが犯罪者に伝わり、犯罪抑止効果がさらに高まります。
緊急時の対応力向上
防犯カメラが設置されていると、事件やトラブルが起きた際に、その場の状況を映像で確認できます。映像をリアルタイムで確認・通知する運用を組み合わせれば、異変の早期把握にも役立ちます。
防犯カメラの犯罪抑止効果を発揮している事例
自宅(戸建て住宅・マンション)
家庭における防犯対策としても、防犯カメラの設置は有効です。特に、一戸建て住宅やマンションのエントランスに設置することで、住民や家族に対する安全意識が向上し、不審者が近づきにくくなる効果があります。近年増加している、闇バイトによる緊縛強盗や空き巣への対策にもなります。

商店街
商店街の通り沿いに防犯カメラを設置すると、営業時間外など人通りが少ない時間帯の状況を記録できます。カメラの存在を周囲に知らせることは、窃盗や自転車盗難を防ぐための対策の一つにもなります。

学校の周辺
一部の学校では、子どもたちの安全確保のために防犯カメラを校門やその周辺に設置しています。通学時の状況確認や、トラブルが起きた際の映像確認に役立ちます。また、児童の見守りを目的としたカメラも増えており、保護者の安心材料にもなります。

駐車場
駐車場は車上荒らしや盗難が多発しやすい場所です。防犯カメラを設置することで、こうした犯罪が減少する傾向があります。駐車場は夜間暗くなる場所が多いですが、防犯カメラが設置されることで犯行が抑えられ、利用者の安心感が向上しています。

防犯カメラを設置する際のデメリット・注意点

プライバシー保護の考慮が必要
防犯カメラは公共の場においても個人の映像を撮影するため、プライバシー保護の観点からの懸念が生じることがあります。この問題を解決するため、映像の管理を厳重に行い、必要なときにのみ映像を閲覧するような運用体制が求められます。私有地などが映る恐れがある場所では、映像内の一部エリアを隠すプライバシーマスク機能も活用しましょう。
設置・維持コストがかかる
防犯カメラの設置には費用がかかり、さらにメンテナンスも必要です。これに対する解決策として、国や自治体が提供している補助金制度を利用するなどの方法が考えられます。
録画データの管理に注意が必要
防犯カメラの録画データを適切に管理することも重要です。データの保存期間や利用目的を明確にし、適切に運用することで信頼性の高い防犯体制が実現できます。また、万が一のときに録画ができていないといったトラブルを避けるため、録画状況の定期的な確認が重要です。
防犯カメラ設置に補助金が適用される?
首都圏で相次ぐ強盗事件を受け、政府も防犯対策に積極的な取り組みを進めています。国や自治体は、住民の安全を守るために、防犯カメラ設置に対する補助金や助成金を提供しています。
補助金の対象となる地域や条件は自治体ごとに異なりますが、一般的に防犯カメラの設置費用の一部をカバーする形で支援されます。防犯カメラの導入を検討する際には、お住まいの地域の補助金・助成金情報を確認してみるとよいでしょう。
全国各地の補助金・助成金情報
北海道・東北地方 / 関東地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国・四国地方 / 九州・沖縄地方
最後に
防犯カメラは、犯罪の抑止に役立つ対策の一つです。この記事で紹介した調査や地域の事例も参考にしながら、設置場所に応じた防犯対策を検討しましょう。
防犯カメラの犯罪抑止効果を高めるには、用途に合った適切な機種の選定が重要です。ソリッドカメラのIPカメラ診断もぜひご活用ください。




お客様の満足を
サポートします!